令和元年8月9日。
西山 進 昭和3年3月25日生まれ(91歳)
長崎市の三菱造船所の養成工として働いている時に被爆。
幼い頃から絵が好きだった西山さんは、原爆症に苦しみながら
炭鉱夫、浮浪生活と職を転々とした。
東京でプロの漫画家として政治風刺漫画や労働者に
寄り添った漫画を描き続けた。
1979年11月から被団協新聞に4コマ漫画
「折鶴さん」の連載を開始
その後40年間連載は一度も欠かさず
今月で480回になった記事が毎日新聞で取り上げられた。

西山さんは,(うっ滞制皮膚炎)という火傷のような痛みを伴う
炎症で入院しているが、病気はそれだけでは無い。
3年前には胃癌の手術をし、2年前からは肺気腫で酸素ボンベが
手放せなくなった。
それ以降4ヶ月に一度の入院を繰り返す生活で、深刻な状況なのだが
会うと冗談しか言わないし、常に笑っている。

そんな西山さんだが2週間前に病院へ車で送る途中
戦争中の暮らしより「今の方がとてもつらい」と
弱音を口にした。
認知症と腎臓に病を抱え入退院を繰り返す奥さんを
この体で介護しているのだから
その忍耐力は恐れ入る。

西山さんは8月12日に退院し、
奥さんは29日に退院することが決まった。
奥さんを自宅で看取る覚悟を決めたと言う。

老いて、支え合う姿にいつも勇気をもらうと共に
人の生き様に直面する。