兵庫県西宮市「地方卸売市場」
2018年 10月 17日
阪神・淡路大震災を経て現在は37業者にまで減ったが、
取り扱う青果の取引高は現在も県内の地方卸売市場の中では上位を誇る。
歴史の詰まった市場を多くの人に知ってもらおうと、
西宮市地方卸売市場連合会は3年前から、毎年10月に見学会を開いている。
戦時中の軍需工場の格納庫から移築されたという上屋の屋根や「猫車」
と呼ばれる木製の台車など開設当時から使われて来た道具も残り、
早朝4時からの企画にもかかわらず、定員を上回る申し込みがあるという。
2年後をめどに市場は再整備される方針で、それぞれの店も岐路に立つ。
かつお節を扱う「丸玉商店」の4代目店主、谷川堅太郎さん(42)は先代から使い続ける削り機を眺め、
祖父から代々受け継ぎ、客からも『やめんといて』と言われているし、
やれるところまで続けたい」と話す。
戦前から市民の生活を支えてきた“地域の台所”が、一つの節目を迎える。