平成30年6月10日。
高知市内を過ぎ、室戸岬のある半島に差し掛かった頃
雨が降り出した。
しばらく走ると「重要伝統建造物群保存地区吉良川町」
と書かれた木造の看板が目に止まった。
その頃には土砂降りの雨が降り続いていたので観光用の
駐車場に車を止め、1時間半ほどすると雨が小降りになったので
外に出た。
吉良川町は古来より木材や薪などの森林資源の集積地として
京阪神に出荷していたようで、大正時代になると製炭技術が発達し
吉良川炭は日本を代表する良質な備長炭となっていったようだ。
旧土佐街道沿いに切り妻造の町家が並ぶこの通りは下町地区と呼ばれる
集落で海岸部に近く、強い雨風から家屋を守るために
壁面は土佐漆喰が塗られ「水切り瓦」
と呼ばれる小さな庇が設けられている。