上椎葉の朝。
2014年 10月 26日
昨夜の星空に引き続き、今朝の上椎葉は朝霧の中
神々しい雰囲気に包まれた。
左下に見える民家から,二つ程カーブを曲がった場所に、
民宿焼畑はある。
この風景の中、12年前取材でたずねた鹿児島県トカラ列島、子宝島
の民宿「湯泊荘」のおかみさん、「通称アキばあ」の事を思い出した。
一見強面のアキばあは、接するうちに、ツッケンドウな態度とは
うらはらに心根のやさしいおばあさんだと気づいた。
その当時子宝島は人工50人の小島で、まさしく絶海の孤島だった。
そんな島に、住みつづける理由を聞いた。
一時期は3世帯まで住人が減った。
「何度も島を出たいと思っていたよ」。
だけどある日の事。
朝は早くから一日の仕事を終えて、疲れきって
家に帰る途中、夕日が真っ赤に燃えて、本当にきれいだった。
その夕日をみて「この島に絶対にずっとのころうって
思ったんよ」。
アキばあは豪快に笑って、そういった。
大自然の中では、人は謙虚で優しくなるもんなのだろうか?
下から雲がわき上がる光景の中でそう感じた。
上椎葉と、トカラ列島の島々には一つの共通点がある。
昔、源平の戦に敗れた平家の一族がそれぞれに別れ、
身を隠した場所であると言う事だ。
上椎葉から水上村へ行く道中、偶然にも、ラジオで民宿焼畑の主、
(現在は椎葉くにこさんのご長男勝さんが引き継がれている)
が取材を受け、焼畑農業についての話をされていた。
焼畑農法は,夏に雑木や草を刈って火を入れ、
1年めにそば、2年めにヒエ3年めにアズキ、
4年めにダイズを栽培すっとです。
5年め以降は元の山に戻すために、20〜30年放置する。
自然の摂理に適合した農法なのです。
母(クニ子)さんは、現在91才近年まで焼畑を70年続けてきたそうで。
山の中に自生する野草を500種以上を熟知し、
食用、薬草、を見分ける、野草を知り尽くした知識には、
足下にも及びません。
と、語っていた。