黒岳自然観察会
2010年 09月 21日
くまもり熊本支部の呼びかけで,黒岳自然観察会に参加しました。
熊本から6名、大分1名、そして福岡からは私が参加、計8名
で9時半に男池の駐車場を出発しました。
樹齢700年を超えるけやきは、男池湧水のすぐ脇にあります。
黒岳は,阿蘇くじゅう国立公園に指定され、九州随一とされる原生林は
ブナ、コナラ、カエデ、ケヤキ、モミ、ツガを主体の形成され、一日に
20,000㎥の水が湧き上がる池男池の水は、銘水として有名です。
登山道沿いの自然林を観察しながら、登山口から約1時間でソババッケへ。
ここで小休止。
多種多様な高山植物に混じって、キノコ類も数多くみられます。
時々出現するブナの巨木。
その存在感には圧倒されると同時に、大きな安堵感に包まれます。
これくらいの大きさのブナになると、約1トンの水を貯える力があるそうで、
その落ち葉は腐りにくく、長年累積したうえでスポンジ状の土壌となり
多量の水分を地下に蓄えます。
ソババッケを過ぎたあたりから、それまでは、なだらかで歩きやすかった
道は一変し、角ばった石がこけに覆われているので、足場がつるつると滑り
、バランスをとりながら歩かなければなりません。
ソババッケから約1時間、風穴の近くにある巨石の前で。
巨石の上にはそれぞれ、シャクナゲや、紅葉など、数種類の樹木が根を張
りつけていて、私には巨人の顔のように見えました。
風穴を過ぎると登山道は急な上り坂になり、足下は崩れやすいガレ場で
急激に体力を失いました。
途中から足が上がらなくなり、日頃の運動不足を後悔しましたが、
どうにか這いつくばるようにして上を目指しました。
ようやく斜面はゆるやかになり、いよいよ頂上か?と期待した先には巨石の固まりが
壁のようにそびえ立っていました。
ふたたび気を取り直し、そこへ突撃するように向かいました。
大きな岩の間を上へ下へとよじのぼり、もう!ほんとうに足が う ご か な い!
と、思われた直後に視界が開け、ようやく山頂にたどり着きました。
やった!
360度に広がるパノラマの風景を目にしたとたん、
それまでの疲れは、見上げた青空の中に吸い込まれてゆきました。
向こうに見える山は大船山です。
黒岳の山頂は高塚、天狗岩、前岳など五つの頂で構成されています。
今回上ったのは天狗岩、集合したメンバーの左後ろには高塚の頂が見えています。
上った道は下らなければならず。
あらためて振り返ると、けっこう急な岩場です。
急坂を無事に下り終え、安堵の表情がうかがえる、帰り道。
残り3分の2の道程です。
ソババッケの近くまで下った時雨が降り始めました。
最初は木の葉に覆われた登山道に、雨の粒は少しづつしか落ちてきませんでしたが、
雨音が大きくなるにつれ、ひとつぶひとつぶが大きな固まりとなって降り注ぎ
はじめました。
黒岳は、屋久島と同じように一年に366日雨が降るといわれるほど雨の多いところです。
自然の森は、地下には水を貯え、空からは雨をもたらしてくれるのです。
夢つり大橋の経済的な成功に気を良くした九重町は、黒岳までの観光道路の
拡張を進め、その距離は男池まで約5キロのところまで来ています。
そして九州林産による(偽装の森)作りは、黒岳の周辺を覆い尽くしています。
この事は後日詳しく報告しますが、今から18年前に黒岳の自然に感動し、
近くに丸太小屋を建てた私としては、自然保護運動に関わらずに居られなかった。
大きな理由の一つです。
では!~~ε=ε=ε=ε=┏( 菊・_・)┛