野鳥保護 同行記

龍国寺での作業を終えた後,その足で近くでたくさんの「野鳥を違法で飼っている者が
2人いる。」という事でその現場へ向かう平野さんに同行させていただいた。

 そのうちの一軒からめじろ132羽、べにマシコ4羽、おおるり3羽、ノビタキ2羽、うそ1羽、うぐいす1羽、合計142羽の野鳥を違法飼育者から保護する事が出来た。

新月伐採の現場と同様に、たいへん貴重な体験をさせていただいた。

 野鳥の違法飼育者の記事が今朝の西日本新聞に掲載された。
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平野さんは、森林や林業のアドバイザーであるとともに野鳥の密猟や違法飼育の監視をNPO
法人を設立し、野鳥を密猟する者を監視し、原生の森を復元させる活動を20年以上もつづけている。

野鳥の保護に関しては、密猟者保護し、自然の森へと放鳥した数は100万羽を超えている。

 数日前、福岡市内に住む匿名の人から、近くに沢山の野鳥を違法に飼っている家と、野鳥を売買している小鳥屋があると、通報を受けたと言う。




 その家は西区の田園地帯の一角にあり、門構えの立派な純和風の大きな家だった。
家の前で平野さんが「ぴぃぴぃ」と小鳥の鳴き声を発した。

すると、その声に反応して信じられない程たくさんの鳴き声が返ってきた。

「100羽以上はいます。」と平野さんは断言した。

 鳴き声はは離れにある倉庫の2階からだった。

玄関から「こんにちは!」と、幾度か声をかたが、返事は無く、留守の様だったので、
もう一軒の小鳥屋へ向かった。

小鳥屋を1時間半ほどかけて探しまわりまるが、見つける事が出来ず、
もう一度先ほどの家に戻ってみた、が車庫に車が無く、まだ戻っていない様子。

仕方なく、裏にまわって離れの2階を見上げた。

すると、鳥小屋らしき建物の金網越しに人影が見えた。

平野さんは階段を上り2階へ向かい、僕も後から従った。

「こんにちは!」 入り口の金網越しに平野さんが声をかけた。

「はい!」とぶっきらぼうな返事が帰ってきた。

「平野です。」と名前を告げた。

するとその相手はもの凄く困惑した表情に変った。

平野さんに続いて中へ入いった。

既に観念している様子の住人。

その様は、不謹慎ながら(水戸黄門が懐の印籠を悪人の目の前に差し出した瞬間!)と、同じ光景だった。

その光景はまさに筋書きの無いドラマ。

事実は、あまりにも淡々と目の前で進行していった。

罵声がとびかう修羅場を想像していた身としては、内心ほっとした瞬間でもあった。
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鳥小屋の中はホコリが舞い、手入をした様子の無い鳥糞の山からは、
「つ〜んとした臭い」が鼻を突いてきた。

銭湯にある下駄箱のように仕切った棚に、鳥かごがびっしりと並んでおり,
その一つ一つに1羽づつのお小鳥が閉じ込められていた。 

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その中の1羽を見みて 「これはひどい!」 と、平野さんが声を上げた。
覗き込んでみると、そこには足のゆびが折れ、羽がおろぼろの小鳥の姿がった。

保護のために準備した大きな鳥かごに、飼育者に命じて1羽1羽移させた。

ほとんどの鳥は傷ついており、小鳥を心から愛する平野さんの表情は怒りと悲しみに歪んだ。

「もう飼いなすな!」

と、という言葉を感情を押し殺し、飼育者にぶつけた。

その怒りの行き場は、我が子の罪をとがめる親のようでもあり、
平野さんの表情からは、つらく重苦しい雰囲気がただよっていた。

ほとんどの鳥かごが、かなりのあいだ掃除がされいないようで、糞が山のように積もつてる。

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オオルリの死骸が鳥かごの中にあり、ひからびたその姿は、
死後かなりの時間が経っている事を証明した。

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「なんで鳥ば飼うとね?」そう訊く平野さん

「小鳥が好きだから」と答える飼育者

この状況には鳥に対する愛情が微塵も見られない事は、誰の目にも明らかだった。

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保護した小鳥は平野さんが持ち帰り、エコシステムの鳥舍でリハビリの後、森に放されるが、
それまでのお世話や、えさ代をすべて平野さんが自己資金でまかなっている。

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前回の山口での土石流災害の視察と今回の平野さんの野鳥保護。
平野さんの活動のほんの一部分を見ただけに過ぎない、が、
大阪の尼崎で、めじろの泣き合わせの会の会場で違法飼育を指摘し、
主催するやくざにどつき回されたと聞く。

自宅の近くで闇討ちを食らった事や、宮崎では目の前で首を吊った違法飼育者も居たと言う。(すぐに平野さんが助けおろし命は助かった)
決して生半可な正義感や、ボランティア気分で出来る事では無い事を命がけでやっている。

それでも、人前ではにこやかに「たいした事ではありません。!」
と言って退ける、その姿に改めて頭が下がる思いがした。

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翌日平野さんから連絡があった。
都城で20数件の野鳥違法飼育者宅を回り,そのうち16件から約200羽の小鳥を保護して来た。
と、言う。
by whosanf | 2009-11-27 16:08 | 環境問題


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