酔眼的日常を写真日記でつづります。リンクフリーです。写真の無断転用は禁止致します。


by whosanf

新月伐採

福岡の二丈町に平家一門を弔った龍国寺(創建1203年)というお寺があります。
このお寺のご住職の奥様は自然保護に大変理解のある方だそうで、
昨年9月に東京で開かれた日本熊森協会主催のシンポジュウムで
平野虎丸さんの講演に共感され、お寺の持ち山を自然林に戻そうと、今年の1月20日、新月の日に杉56本を切り倒し、葉っぱをつけたままその場に10ヶ月間放置されていました。

その時のことは新聞でも取り上げられ伐採の日は九州各県の新月伐採協会のメンバーや一般の見学者が70人ほど訪れたそうです。

この方法を葉枯らしと言い、新月伐採とあわせる事により丈夫で長持ちする材木になるそうです。
(法隆寺の建設に使われた材木は、この方法で切り出された木が使われているそうです。)

今回,幸いにも平野虎丸さんに声をかけていただき、同行させていただきました。
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倒した木は枝を打ち払ったあとユンボにワイヤーを付け道路ちかくまで引き下ろし、そこで2メートル6センチのサイズに切りそろえ製材所に送るそうです。
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龍国寺からさらに山の中に入り込んだ所に唐原と言う地区があり、平重盛の妻子を弔ったほこらのすぐそばにその伐採地はありました。
前日の雨で地面がぬかるんでいます。
ところどころで地肌がむきだした斜面は、足下が滑り、ずるずる滑ると言った状況ですが、
平野さんや平野さんよりも10才年上のお兄さんはチェンソーを自在にあやつりながら
斜面を上下に動き回って作業をしておられました。
その強靭な足腰には改めて驚かされ、同時に僕自身が丸太小屋建設で身に付けたチェンソーの技術なんぞへなちょこのレベルだと思い知らされました。
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平野さんは最近は体調も良さそうで、チェンソーで枝打ちをすばやくこなしておられ、安心しました。
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樹齢50年の杉は大きい物で直径が50センチを超えます。
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ユンボを操縦していた地元の前原市内で製材所を経営する家宇治さん。
普通に切って放置した木は4ヶ月が限界だそうで、それ以上放置された木はワイヤーで引っ張ったときに途中でポキリと折れるそうですが、今回のように10ヶ月以上放置されていた木の断面が、まだ生木のようだと驚いておられました。
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切り落とした枝や葉っぱ木の根元などに集められ、昆虫や小動物のすみかになるそうです。
その作業を龍国寺のご住職とその息子さんがやっておられました。
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今回伐採された木は製材後龍国寺にそのまま保存され、当日切った木と比較してどのような変化が現れるのか今後観察されるそうです。
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50年後、伐採地が自然林の森に戻った姿を見届ける事が出来そうな年齢の参加者は残念ながら居そうにありません。(笑)
次世代に森を残そうとする思いは皆同じだと感じ、感慨深い思いをを共有する事が出来た貴重な体験でした。
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by whosanf | 2009-11-25 18:33 | 環境問題 | Comments(0)