長崎県長崎市「平松市場」
2015年 07月 13日
平成27年6月20日。
一見廃屋と思えるような店内へ足を踏み入れると、
そこには営業中の青果店があり、店の前の通路のわきにおかれた長椅子に、
老人が二人座っていた。
「ここは平松市場ですか?」と、訪ねると、「もう2軒しか残っとらんから市場じゃなか」
と主人らしきおじいさんが答えた。
椅子に座っていたのは店主夫妻で、店内にあるブラウン管のテレビで
ひまそうに野球中継を見ていた。
もう一軒の店も青果店で、店主に撮影の許可を受け店内を撮影していると、
段ボールに野菜を手際よく詰め込み、これから配達があると告げバイクで
出かけて行った。
しばらくすると店の前の自宅らしき部屋から、おばあさんと、店主の奥さん、息子
と、お寺のお坊さんが現れた。
自宅で法事だったのだろう。
カメラを手にした私を不信な目で見ていたので
先ほど店主の許可を得た事と、撮影している理由を話すと喜んでくれた。
瓶詰めのらっきょうや漬け物はおばあさんの手作りで、年老いて
買い物に来れなくなったお得意さんにご主人が配達して回り、細々と経営を続けて
いるそうだが、お得意さんの数も年々減って来たから何時まで続けられるかは
わからないと、にこやかに言った。